ファクタリング手数料は利息制限法と無関係!しかし一定レベルの「閾値」を超えると無効になるおそれもあり
2026年1月21日
今回はファクタリングと利息制限法について解説します。
過去に「過払い利息訴訟」「過払い金請求」などのCMが盛んにテレビで放送されていたことがありました。
これは、利息制限法の上限を超える金利で消費者金融などの契約をしていたことがあったからです。「違法な契約なのに堂々としていたのか?」という疑問を持たれるのは尤もですが、当時は「利息制限法」と「出資法」の「法のミス」を突いた巧妙なものでした。
利息制限法と出資法で規定する上限金利が一致したので、過払い利息の訴訟は下火になりましたが、そうした訴訟が大量に起きるほど利息は重要なものです。
ファクタリングにも手数料があります。その手数料と利息制限法との関係について、今回は深堀していきたいと思います。
ぜひ自社が行うファクタリング手数料について、今一度考える機会にしてください。
利息制限法とは何?その概要
まず利息制限法について簡単に説明します。
利息制限法は、過度に高い金利での貸し付けから利用者を守るために設けられた法律です。消費者金融や違法業者による高金利が社会問題化したことを背景に、被害拡大を防ぐ目的で制定されました。
資金を必要としている側は立場が弱くなりがちで、「今すぐお金が必要」という事情から、多少不利な条件でも受け入れてしまうケースが少なくありません。その結果、返済が困難になるほどの利息を負担させられる事態が起こります。
こうした不当な負担を防止するため、利息制限法では借り手を保護する観点から、金利に上限を設けています。具体的には、借入額の大きさに応じて、金融機関が設定できる年利の最大値が定められており、それを超える利息は認められていません。
利息制限法の上限金利は以下になっています。
| 融資元本(融資金額) | 利息上限 |
|---|---|
| 10万円未満 | 上限20% |
| 10万円以上100万円未満 | 上限18% |
| 100万円以上 | 上限15% |
この基準に当てはめると、たとえば5万円を借りた場合に発生する利息の上限は1万円までとなり、400万円を借りた場合でも最大で60万円までと定められています。これを超える利息を請求することは法律違反にあたり、そのような条件で貸し付けを行う業者は、いわゆる悪質業者やヤミ金融、反社会的勢力と判断されます。
利息制限法と出資法の違い
過去に大きな社会問題となったのが「グレーゾーン金利」と呼ばれるものです。これが利息制限法の上限金利と出資法の上限金利の違いを利用した悪質な契約でした。
利息制限法と似た法律に「出資法」と呼ばれる法律があり、こちらでも上限金利が規定されていましたが、利息制限法の上限金利と出資法の上限金利に差があり、悪徳業者は「出資法では〇%だからこの金利で契約して」と迫って、高い方の出資法の上限金利いっぱいで契約していました。
利息制限法と出資法、2つの法律の上限金利には差があり、そこが悪徳業者やヤミ金融の狩場となってしまいました。
ちなみに利息制限法はその金利を超えると無効、出資法はその金利を超えると刑事罰であり、出資法の方がペナルティは重い傾向にありました。
かつての上限金利を見てみましょう。
| 法律 | 上限金利 |
|---|---|
| 出資法 | 29.3% |
| 利息制限法 | 20% |
このように、かつては年利20%から29.2%までの範囲が「グレーゾーン金利」と呼ばれていました。出資法では29.2%を超えると刑事罰の対象になるため、それ以上の金利は設定されませんでしたが、利息制限法の上限である20%を超えていても、当時は罰則がなく、利用者が気付かないまま高額な利息を支払わされていたのです。
悪質な業者やヤミ金融、反社会的勢力は、「出資法の上限内だから問題ない」と説明し、あえて「合法」とは言わずに、利息制限法を超える部分の利息を請求していました。実際には違法性があるにもかかわらず、多くの借り手がそれを知らずに支払い続けていたのです。
かつて盛んに行われていた過払い金請求は、この利息制限法と出資法の差によって生じた「実質的に違法な金利」を、弁護士を通じて取り戻す手続きでした。
現在では、両法律の上限金利はともに年20%に統一されていますが、利息制限法の上限金利と出資法の上限金利はともに20%で、20%を超える融資契約は違法で無効になります。こうした背景があったことは知っておくべき重要なポイントと言えるでしょう。
ファクタリングは融資ではないので、厳密には「金利」がない
融資はこのように利息制限法の上限金利の適用がマストで、絶対的な基準になっていますが、ファクタリングにはそれは適用されません。
ファクタリングは民法上の債権譲渡行為であり、利息制限法が適用される「融資」ではないからです。
モノを売るアセットファイナンスなので「定価8,000円のゲームソフトを1,000円で買い取っても違法とならない」のと同じ理屈です。
市場価値がなければ買い取り価格は下がり、その分買い取り業者の儲けが増えても、違法でその取引を無効にしろと主張することは非常に難しいのが現状です。
そのあたりを含めてファクタリングと利息制限法の関係について考えていきましょう。
ファクタリングは根本的に融資とは異なるので利息制限法の対象外
ファクタリングには、一般的な「金利」や「利息」という考え方が存在しません。その理由は、ファクタリングが融資ではなく、売掛債権(売掛金)を売却する取引だからです。つまり、借金ではなく「債権の譲渡・買取」という位置づけになります。
融資は「デットファイナンス」と呼ばれる資金調達方法で、元本に利息を上乗せして返済する仕組みです。一方、ファクタリングはそれとは異なる「アセットファイナンス」に分類され、保有している資産(売掛金)を現金化する手段となります。
そのため、銀行や消費者金融からお金を借りる場合に適用される利息制限法は、デットファイナンス用の法律であり、ファクタリングには原則として適用できません。融資は金銭消費貸借契約に該当し、利息制限法や出資法、銀行法、貸金業法など複数の法律で厳しく管理されていますが、ファクタリングは民法上の売買契約として扱われます。適用される法律は民法のみです。
このように、融資は法的な制約が多く自由度が低いのに対し、ファクタリングは当事者同士の合意(契約自由の原則)によって契約内容を決められる柔軟な資金調達手段です。そのため、手数料についても法律で一律に制限されているわけではありません。
ただし、いくら自由とはいえ、社会通念を大きく逸脱するような手数料設定は「公序良俗違反」と判断され、違法となる可能性があります。
ファクタリング手数料を金利換算する方法を知っておこう
ファクタリングには金利がありませんが、手数料を金利(年利)換算する方法があり、それを知っておくといろいろ役立ちます。
ファクタリング手数料を年利換算すると、このような特徴になります。
・ファクタリングを年利換算すると、利息制限法の上限(15%~20%)を超えることが多い
・利息制限法の上限よりはるかに高い3桁、100%を超える金利になることもかなりある
ファクタリングは貸付ではなく、民法上の債権譲渡にあたる取引ですが、「手数料が高い」と言われることが少なくありません。
本来、融資ではないため金利と単純比較するものではありませんが、コスト感を把握しやすくする目的で、あえて利率に置き換えて考えるケースがあります。そこで、どの程度の水準になるのかを理解するために、年利ベースに換算して見ていきましょう。
ファクタリングの手数料を年利換算する場合は、次のような考え方を用います。
ファクタリングで売掛金を現金化した日と本来の入金日の差(サイト)⇒αか月
ファクタリングの手数料⇒β%
とすると
月利(%)=β÷α=γ
年利(%)=γ×12%
支払期日が近いタイミングで現金化を行うと、見た目上は年利換算の数値がかなり高くなる傾向があります。ただし、実際には入金日が迫っている分、未回収となるリスクは当初よりも低下しており、ファクタリング会社としても買い取りに応じやすくなります。
一般的に、売掛金は「月末締め・翌月末払い」や「翌々月末払い(いわゆるサイト60日)」といった条件が多く、売上発生から入金までの期間はおおむね1~2か月程度です。
そこで今回は、よく見られるファクタリング手数料をもとに、年利換算するとどの程度になるのか、試算してみます。想定するのは、サイトが2か月の売掛債権(売掛金)を、発生直後に現金化したケースです。つまり、前述の計算式では「α=2」として算出します。
年利換算=2%÷2か月×12か月=12%
年利換算=5%÷2か月×12か月=30%
年利換算=10%÷2か月×12か月=60%
年利換算=20%÷2か月×12か月=120%
利息制限法では、上限金利は原則20%(借入額が100万円を超える場合は15%)と定められています。そのため、ファクタリング手数料がかなり低いケースを除くと、年利換算した際にこの上限を大きく上回ってしまうことがほとんどです。
特に「年利換算すると100%を超える」といったネガティブ(否定的)な評価がされやすいのは、2社間ファクタリングで、なおかつ手数料が20%前後に設定されている場合です。
たとえば手数料が20%の場合、売掛金の入金サイトが2か月であれば年利換算は約120%、1か月であれば実に240%相当となり、一般的な金利水準と比べると非常に高い数字になります。
なお、2社間ファクタリングで20%を超える手数料を提示してくる業者は、悪徳業者である可能性も否定できません。30%を超える手数料ならまず悪徳業者やヤミ金融、反社会的勢力でしょう。そのような条件を提示された場合は、利用を避けるのが無難でしょう。
こうした点を踏まえると、ファクタリングは常用する資金調達手段には向いていないと言えます。あくまで、突発的な資金不足への対応や、取引先の倒産リスクを回避するために、多少コストがかかっても早期に資金回収をしたい場面など、限定的な用途で活用すべき手段だと考えられます。
ファクタリングと他の資金調達方法の金利を比較とファクタリングのメリット
ファクタリングと他の資金調達方法の金利を比較しました。やはりファクタリングを金利(年利)換算すると、利息制限法の上限を超えてしまうことが多くなります。
| 資金調達方法 | 金利(年利換算) |
|---|---|
| ファクタリング | 利息制限法上限付近~100%超え |
| 銀行融資(プロパー融資) | 3%~10% |
| 不動産担保ローン | 3%~8% |
| 消費者金融系「ビジネスローン」 | 利息制限法上限付近 |
| 日本政策金融公庫普通融資 商工会議所時代マル経融資 |
1%~2% |
| 手形割引 | 3.9%~15% |
| 電子記録債権(でんさい) | 銀行で割引:3%~5% 民間会社で割引:5%~16.42% |
| 動産担保融資(ABL融資) | 1%~15% |
この差をどのように考えるのかもファクタリングをどのように使うか考えるきっかけになります。
もちろん、ファクタリングのメリット
・迅速な資金調達(最短即日数時間)
・信用情報照会を行わない
・信用情報ブラック、金融ブラックでも利用できる
については得難いものですので、ファクタリングを使うべき場面もあり、その場合は利息制限法の上限は考えず資金調達してください。
即日で資金を用意する方法としては、消費者金融系のビジネスローンも選択肢に入りますが、その場合「消費者金融を利用した履歴」が信用情報に残ってしまいます。一般的に、消費者金融の利用歴は信用面でプラスに評価されにくいのが実情です。
そのため、短期間で現金が必要な場面では、信用情報に影響を与えないファクタリングのほうが現実的な選択肢となります。銀行融資やその他のローンでは、審査に数週間かかることも珍しくなく、「明日までに資金が必要」といった状況には対応できません。
このように、資金調達は単純に金利の低さだけで判断すべきものではありません。特に一時的な資金ニーズにおいては、スピードや信用情報への影響を考慮すると、ファクタリングは非常に有効な手段と言えるでしょう。金利以外の要素も踏まえたうえで、最適な方法を選ぶことが重要です。
利息制限法の上限を超えても無条件にファクタリング手数料が合法になるわけではない
ファクタリングは融資ではないので、利息制限法の上限を超えても合法です。しかし、どんな数字でも合法になるわけではありません。
ファクタリングは民法上の契約ですが、民法には一般条項として「公序良俗違反」というものがあります。いくら当事者間の合意で成立する「契約自由の原則」があっても、社会通念上許されないような契約は無効です。
「契約に違反したら1億円払う」「債務不履行の場合は臓器を売って償う」こんな契約が有効になるはずがありません。
ファクタリングの場合も、手数料が年利換算して200%を超えると、公序良俗違反として訴えられ、無効にできる裁判例もあります。
そうしたことも考えると、手数料20%で年利換算して120%というのは、利息制限法の上限をかなり超えますが、無効にならない絶妙なラインということになります。
手数料20%を超えるファクタリングを避けるべきなのは、それ以上だと公序良俗違反のゾーンに入ってしまうことも関係しています。利息制限法はファクタリングと完全に無関係と言うわけでもないのです。
利息制限法を全く超えない診療報酬ファクタリングなどの特別なファクタリングもあり
ファクタリングは年利換算すると利息制限法の水準、あるいはそれを上回る場合があると説明しましたが、すべてのファクタリングが高コストというわけではありません。中には、利息制限法の範囲内に収まるケースも存在します。
そもそもファクタリングの手数料は、「売掛金が回収できない可能性」に備えるために設定されます。そのため、回収リスクが高い即日資金化型の2社間ファクタリングでは、どうしても手数料が高くなりがちです。
一方で、売掛先から確実に回収できる仕組みの「3社間ファクタリング」であれば、未回収リスクはほとんどありません。とくに、売掛先が公的機関である場合、回収不能になる可能性は極めて低いといえます。
民間企業であれば倒産リスクはゼロではありませんが、公的機関が支払い不能に陥ることは現実的ではありません。日本では、海外のように予算未成立によって政府機関の業務が停止する事態もほぼ起こらないためです。
このような背景から、社会的に信用力が非常に高い機関を売掛先とする場合、ファクタリング手数料は大きく抑えられます。代表的なのが、診療報酬や介護報酬を対象としたファクタリングです。
具体的には、医療機関向けの「診療報酬ファクタリング」や、介護事業者向けの「介護報酬ファクタリング」があります。診療報酬の場合、支払元は社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会(国保連)で、いずれも公的機関です。
診療報酬は、医療機関が請求してから約2か月後に、患者負担分を除いた7~9割が支払われる仕組みとなっています。このため、ファクタリング会社側から見ても回収リスクは極めて低く、手数料はおおむね0.25%〜1%程度に抑えられています。
もちろん、請求内容の誤りなどによって減額される可能性はありますが、全額が支払われないケースはほぼ考えられません。そのため、診療報酬ファクタリングは非常に安全性の高い取引とされています。
では、この手数料を年利換算するとどうなるのか。次に、先ほどと同じ条件で計算してみましょう。
年利換算=0.25%÷2か月×12か月=1.5%
年利換算=1%÷2か月×12か月=6%
診療報酬ファクタリングの中でも、特に手数料が低いケースでは、年利換算しても利息制限法の水準を大きく下回ります。たとえば手数料が1.5%程度であれば、通常の融資と同程度の水準となり、なおかつ信用情報に影響せず、数日以内に資金化できるという大きな利点があります。
そのため、利息制限法の観点から見ても、診療報酬ファクタリング(医療ファクタリング)は、緊急時だけに使う特殊な資金調達方法ではありません。日常的な資金繰りの選択肢としても十分に現実的で、法的な問題もなく安心して活用できます。もちろん、利用しすぎには注意が必要ですが、診療報酬が多少目減りする程度で済む点は大きなメリットです。
このように、ファクタリングの中には例外的に、利息制限法を基準に考えてもほとんどリスクのないサービスが存在します。診療報酬ファクタリングは、その代表的な例だと言えるでしょう。
ファクタリング手数料を比較検討し利息制限法と比べられるように「ファクタリング0ナビ」を参考にしよう
ファクタリング手数料を年利換算すると、利息制限法の上限を大きく超えてしまうものもあるのは事実です。
もちろん、「最短即日資金化」などファクタリングだから果たせるメリットもあります。とはいえ、年利換算したファクタリング手数料が利息制限法におさまる例は稀です。
そのため、少しでも低い手数料でファクタリングするに越したことはありません。通常、複数のファクタリング会社に「相見積もり」を依頼しますが、断るのもなかなか大変です。
そこで各ファクタリング会社の手数料上限やさまざまな契約条件を一目で比較できる「ファクタリング0ナビ」をうまく活用してください。
ファクタリング手数料が低ければ、利息制限法の金利に近づきます。もちろん、迅速性など他の要素もありますが、少なくとも公序良俗違反になるような高い手数料のファクタリング会社は排除できるはずです。
ぜひ「ファクタリング0ナビ」を利用して、希望を叶えてください。
何卒よろしくお願い申し上げます。
実際にファクタリングサービスの立ち上げに携わったメンバーも在籍。
実質の手数料や審査通過のリアルを徹底的に追求し、お客さまの資金調達をナビします。